社長挨拶

 世界的に電力の安定供給、再生可能エネルギーの重要性が改めて認識される時代となり、我が国でも東日本大震災を契機に電力自由化の推進、固定価格買取制度(FIT)、再エネ海域利用法など、様々な再生可能エネルギーへの支援制度が整備されています。
 丸紅グループは英国で2件の洋上風力発電事業に参画、また、洋上風力据付船(SEP)を保有する英Seajacks社を買収するなど、洋上風力分野に一早く参入しました。
 国内では福島や北九州での浮体式洋上風力の国の実証事業にもプロジェクトインテグレータ―として参加し、実プロジェクトを通じて洋上風力の知見、経験、人脈を蓄積して参りました。その集大成とも言えるのが日本初の大型洋上風力プロジェクトの秋田港・能代港洋上風力プロジェクトであり、約5年間の開発調査の結果、2020年3月に着工しました。

 当社は2020年4月に丸紅グループの国内・海外の洋上風力の事業開発を一元的に取り組む組織として丸紅(株)全額出資で設立されました。グローバルな洋上風力発電事業の推進、並びに、2021年3月に丸紅グループが発表した 「気候変動長期ビジョン」 に基づき2050年GHG排出ネットゼロや低炭素・脱炭素化への貢献に努めて参ります。

 私自身が重視しているのは地域共生と安全管理の徹底です。
 地域とともに―――福島、北九州、秋田能代、そして新規開発を進めているエリアの近隣住民、漁業関係者の皆様と会話をすると洋上風力に対する厳しいご意見を頂く事もあります。我々は洋上風力発電事業の開発を行う責任ある会社として、地元から信頼の置ける事業者として認めて頂ける様に真摯にそうした声に向き合うと共に、我々の洋上風力に対する熱意やビジョンを共有させて頂き、共存共栄の関係を構築したいと考えています。
 安全第一で―――洋上風力は海洋作業を伴うため陸上作業より一層厳しい安全管理が必要です。我々の経験則から、安全面を軽視して徒にコスト削減を急ぐのではなく、今後の産業全体、人員育成の為にも敢えて安全管理に注力すべきだと考えています。

 当社は洋上風力を通じてグローバルな環境対策、エネルギー政策に貢献するだけでなく、地域の皆様とプロジェクトに従事する全ての方の声に耳を傾けて、「共に前に向かって進む」そういう会社でありたいと思います。


丸紅洋上風力開発株式会社
代表取締役社長

真鍋寿史
社長挨拶