洋上風力発電の最前線で
新しい時代を切り開く心意気
A.N Y.S
能代運転管理事務所 オペレーションチーム

これまでのキャリアと入社のきっかけを教えてください
A.N: 20年ほど電力会社で火力発電所に勤務し、その後、東アジアにおける洋上風力事業の先駆けともえいえる台湾で、火力発電所や洋上風力にかかわってきました。これまでの経験を活かして国内洋上風力現場の第一線職場で働き、業界の発展に寄与したいと考えて、2024年、丸紅洋上風力開発株式会社(以下 MOWD)に入社しました。当時50歳という年齢もあって、キャリアアップのラストチャンスという思いもありました。
Y.S: 私は再生エネルギーのなかでも、特に風力発電に将来性を感じ、高校卒業後、風力発電業界に就職しました。6年間、陸上風力発電所で風車や変電設備の知識を学び、その後、3年間洋上風力発電所にかかわっておりました。 A.Nチームリーダー(以下リーダー)とは時期は異なりますが台湾駐在の経験もあります。山形県の出身なのでいつかは東北に帰ってきたいと思いもあり、2025年1月にMOWDに入社し、能代運転管理事務所で働いています。これから発展していく洋上風力発電業界に早い段階からかかわって、将来の業界を引っ張っていきたいと思っています。
仕事でのやりがい、面白みを感じるのはどんな時でしょう
A.N: 現在、日本国内で初めての商業大型洋上風力発電所である秋田発電所の運転管理事務所で、運転保守業務のオペレーションチームリーダーとして、設備全般の運転・保守業務を担当しています。洋上にあるので船で向かいますが、波が安定している4月から9月ごろが点検作業のオンシーズンです。10月以降は風が強く、波も高く船を出せないオフシーズンになるのですが、この時期は、作業のフォローや次年度の点検計画の策定に専念しています。
3年目を迎えて日本の洋上風力のオペレーションは、台湾の経験とはまた違う部分があると日々感じているところです。現場では、想定外のことが起こりえるという緊張感が常にあります。それを職場の仲間と協力して乗り越えていくことが、大きなやりがいや達成感につながっていますね。その経験を積み重ね、日本の洋上風力発電の安定的なオペレーションの土台を作ることが私の使命だと感じています。
Y.S: 私はまだ入社してから点検シーズンを経験していませんが、リーダーが立てた計画をしっかりと把握し、発電所の健全性を保つための対応を学んでいるところです。陸上の風力発電とは異なり、多くのタスクがあり、日々新しいことに触れながら経験を積めることがやりがいにつながっています。
日本の洋上風力の歴史はまだ少なく、教科書といえるようなスタンダードがなく、自分たちが基準を作っていく立場なのかもしれないと感じています。 日本国内初の商業風力発電所として注目されており、一年一年の積み重ねが大事なので、まずは今年1年間の流れをしっかり把握することを目標にしています。これまでの2年間の運転報告書などを参考にしながら、これから起こり得る事態を予測し、確実に課題を解決していきたいです。
また、海外の設備を扱うことが多いため、仕事で英語を使う機会もあり、非常に刺激になります。国際的な視野を持って仕事ができるのも面白みの一つだと感じています。

組織の魅力はどのようなところにありますか?
A.N: ここ能代運転管理事務所には、事業会社の秋田洋上風力発電のメンバーも一緒に活動しており、 MOWDは運転保守を委託されている立場です。さらに、風車メーカーのメンバーも一緒に働いており、3社が一緒になってこのプロジェクトを運営しているのが特徴的です。異なる立場からお互いを理解し、時には熱い意見を交わせながらも、一致団結して課題を攻略していくことがこの仕事の醍醐味だと思います。
Y.S: 一緒に働く仲間には20代の同世代が多く、何でも話しやすい環境です。仕事の内容は濃密ですが、それぞれが専門性を活かして持ち場を担当していて、とてもバランスの取れたチームだなと感じています。
また、設備を管理する立場なので、シーズンになると休日の対応が必要になることもありますが、今までに経験した職場のなかで最も休暇制度が充実していて、休暇も取得しやすい環境が整えられていますね。
A.N: MOWDには、有給休暇とは別に「オールシーズン休暇」や「ボランティア休暇」「ファミリーサポート休暇」など独自の制度があり、それを活用することでモチベーションを高める仕組みになっています。
Y.S: 点検に出られないオフの時期には比較的多めに休暇を取り、その分、夏の忙しいシーズンに集中して働くというメリハリのある働き方ができるのは魅力です。
今後の展望を教えてください
A.N: 洋上風力発電の技術者は、まだまだ少ないのが現状です。これからの発展に向けて、専門性を持ったエンジニアの育成がどんどん必要になってくると思うんですよ。
「この仕事やってみたい!」と思う人が増えるように、私自身が培ってきた経験や知見を若手に伝えていくことが大切だと考えています。
彼のような優秀な若手に、仕事の面白みややりがいを伝えながら、技術を次世代へリレーしていくことが、MOWDの発展、ひいては日本の洋上風力発電業界の成長につながると信じています。
もし、洋上風力に興味を抱いていてやる気のある人がいれば、経験のあるなしには関係なく、どんどん飛び込んで活躍してほしいですね。
Y.S: リーダーがおっしゃるとおり、風力発電のエンジニアはまだ多くありません。だからこそ、今後キャリアを積んで成長できる、大きな可能性を秘めた分野だと感じています。尊敬できるリーダーに学びながら、いずれは自分自身が業界をリードし、環境問題の解決にも貢献できるようになりたいと思っています。
ご自身を風にたとえると?
A.N「突風」「時には冷風、時には温風」
Y.S「台風」と「夏の夜の海風」
A.N: 突風という言葉が思い浮かびました。私の持ち味はスピード感。どんな事象にも迅速に対応することを心がけています。それに加えて、職場では「時には冷風、時には温風」のようなエアコンのような存在になりたいと思っています。誰かが前に出て行動している時は、あえて一歩引いて見守り、誰もやらなさそうな時には率先して動く。そうやって、職場が円滑に回るよう温度調整をすることを意識しています。
Y.S: (拍手しながら)はい、リーダーのそういうところ、本当にすごいと尊敬しています! 私が少し勢い余ってしまうことがあるのですが、それを温かく見守り、柔軟に対応してくださるのがありがたいです。ちなみに、私自身は周りの人に聞いたら「台風じゃない?」と言われました(笑)。頑張ろうという気持ちが強すぎて、エネルギーが溢れすぎてしまうのかもしれません。
A.N: 彼には、周囲を巻き込む力があります。ひとりだけで頑張るのではなく、うまく人を巻き込んで協力を得ながら、チーム一丸となってタスクを乗り越えるのが得意です。私はそういう場面をよく目にしていますが、その巻き込み力も台風らしいなと思っています。
Y.S: 将来的には、もう少しクールな雰囲気を持ちたいと思っているんです。私は8月、海沿いの地域で生まれたのですが、夏の夜の海風って本当に気持ちいいんですよね。そんな「夏の夜の海風」のように、周りの人が心地よさを感じられるような存在になりたいと思っています。